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旧式力織機とはなんだ?

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デニム生地の工場

こだわったデニムやレプリカジーンズでよく耳にする、旧式力織機って?

現行の力織機と何が違うのか?
なぜ旧式が選ばれるのか?

今回はそんなお話です。

織物とは

まず織機を説明するために織物について説明させて頂きます。
織物とはたて糸とよこ糸が組み合わされてできた布地のことで、

  1. 平織(ひらおり)
  2. 綾織(あやおり)
  3. 朱子織(しゅすおり)

などがあり、それらは織物の三原組織と呼ばれます。

詳しいお話はまた別の機会に掘り下げてお話できればと思います。
ちなみにこれがデニムで有名な綾織の織り方です。
表面に出ているたて糸の列が斜めに走っているのがわかります。

織機とは

服になる前の布を織る機械のことで、糸を織りものへ織りあげる機械の事です。
機(はた)とも呼ばれます。

イギリスの産業革命以前の織機はこんな感じでした。
すべて手仕事でたて糸とよこ糸を織っていたんですね。

織機

織機はすごく長い長い年月をかけて進化してきた機械なのでかなりざっくり説明していますが、全てを手仕事で行っていたと思ってください。

旧式力織機

1733年にジョン・ケイによって発明されたシャトルを使って織る織機のことでイギリス産業革命の先駆けとなった画期的な織機です。

基本的には人間が手足を使って織る手織りと同じ方法で、人の手による調整を多く必要とするアナログな機械。
そのため扱う職人によって織り上がりが異なるなど、手織りに近い素材感のある生地が出来上がります。
現在でも使われてはいますが、近年はシャトルを使わないシャトルレス織機が普及したために年々減少の一途をたどっています。

旧式力織機

シャトルって何?

力織機のシャトル

これがシャトルです。 杼(ひ)ともいいます。織物を織るときたて糸を上下2シートに分け、その間によこ糸を挿入するために横糸を装填した木製の弾丸上のものです。
これが左右に往復運動をしながらよこ糸をたて糸の間に織り込んでいきます。

現行力織機との違いと選ばれる理由

近代以降、生産スピードが4~5倍に向上したシャトルレス織機 が流通してくるにつれ、 シャトル織機の生産性の悪さが問題となってきました。
シャトル織機は織るスピードがすごく遅いのです。

セルビッチができるシャトル織機

この生地の端のほつれ止めの部分がセルビッチ(耳)と呼ばれ、ヴィンテージデニムの基本的なディテールになっています。
例えば赤耳なんかが有名で、コーンミルズ社がリーバイス社向け専用のデニムに赤の線を入れたといわれています。

セルビッチデニムを折り返したもの
出展:ROCOCO  FOB FACTORY(FOBファクトリー) F147

旧式力織機で織ったデニムは、通常のデニムと比べて表面に凹凸(ネップ)があります、この凹凸が表面に影をつくり、立体的で美しい風合いを作り出すのです。
このネップ感がたまらなく、服好きの心を鷲掴みにしているのです!!

個人的にはこの生産効率が悪いっていうところも、
「仕事は早くはないけれど、目の前のコトに一生懸命取り組む、頑張っているヒト」
みたいな印象でなんか可愛いくて好きです。

そんな旧式力織機で織ったセルヴィッチについてもお話できればと思います。

記事はコチラ>>> 男のこだわり、セルビッチとは何か。