男のこだわり、セルビッチとは何か。
こんにちは、コロモビト.です。
前回お話した 旧式力織機 で織り上げられるセルビッチ生地。
どういったものかご紹介させていただきます。
セルビッチとは?
デニム生地の端、通称「耳」と呼ばれる部分のことで、旧式の力織機を使用して織られた、生地端にほつれ止めがされたデニム生地のことです。
このほつれ止めが施された生地端の部分に赤いラインの入っているものが「赤耳」と呼ばれています。
現在では青、緑、手縫い風など、様々なカラーの耳のものが数多く出回っていますが、この色はデザインであって品質や生地の特性とは関係ありません。
セルビッチデニムはなぜ高い?
なんとなく「セルビッチデニムは高級」というイメージがありますが、なぜ高価になるかには理由があります。 前回の旧式力織機で触れましたが、
「生地を織るのに時間がかかり、生産効率が悪い」ことが主な原因です。
旧式の織機を使用して生産されるセルビッチデニムは、生地を織るのに通常の5倍以上の時間を要します。
熟練職人でも1時間で数mしか織ることができず、
さらには織りキズなどロスが出ることも多いので、とても貴重なデニム生地なんです。
この「生地を織るのに時間がかかる」ということがまず一つの理由です。
そして二つ目の理由は、「生地巾が狭い」ということ。
現在普及しているスタンダードなデニム生地は「W巾」と呼ばれ、生地の巾が約150cm。
しかし旧式織機で織ることのできるセルビッチデニムの生地巾はシングル巾で約80cmしかありません。
一本のジーンズを制作するのに、セルビッチデニムでは生地の長さが倍程かかってしまうんです。
ということは、セルビッチデニムを使用するだけで、同じ一本のジーンズを作るのに倍くらいの生地原価がかかってくることになります。
ということは完成品が高価になるのは当たり前のことですよね。
育てる愉しみ
セルビッチデニムの特徴は「ごわごわしている」この一言に尽きます。
旧式力織機で織られているため、たて糸とよこ糸のテンションにばらつきがあり生地表面がでこぼこになるのです。
これが縦落ちなどの「アタリ」を生み出します。
洗うほどに風合いが増し、独特の色落ちやムラ感が現れる経年変化が楽しめます。
自分の形に色落ちしていくので、まさに育てる愉しみを味わえます。
穿き方
特に決まりはありませんが、このように赤耳をみせるようにして裾をロールアップしてあげましょう。
今回いくつか紹介したJAPAN BLUE JEANSのセルビッチデニムは日本製ですが値段も安く、おすすめです。
もちろんセルビッチじゃないと絶対ダメ!
ということではないのですが、デニムをもっと好きになるひとつのきっかけになれば良いなと思います。
「旧式力織機」について書いた記事もあるので合わせて読んでみてください。