BARACUTA(バラクータ)G9ジャケットの歴史と特徴—ハリウッドスターも愛した名品の魅力
こんにちは!コロモビトライターのチバです。
いつかは着てみたい、憧れの一着「バラクータG9」。でも、“おじさんくさい”って思っていませんか?
30代も半ばを過ぎると、「良いものを長く着たい」という気持ちが強くなる一方で「でもこれ、似合うのかな…?」なんて不安もつきもの。
気づけばスマホで、「バラクータ ダサい」「ハリントンジャケット おじさん」「G9 着こなし」そんな検索ワードに手が伸びてしまっていませんか?
でも、ちょっと待ってください。
その“おじさんジャケット”の代名詞、バラクータG9は、スティーブ・マックイーン、エルビス・プレスリー、そして高倉健までもが愛した、伝説の一着。
実は、大人になった今だからこそ、いちばん似合う名品なんです。
今回は、バラクータの歴史・魅力について、とことんお話させていただきます!
BARACUTA(バラクータ)の誕生
雨の街マンチェスターで生まれた“服づくりのプロ集団”
引用:BARACUTA
1937年、イギリス・マンチェスター。この街は雨が多く、レインウェアづくりが盛んな地でした。
当時、バーバリーやアクアスキュータムなどの有名ブランドにレインコートを提供していたのが、ミラー兄弟が経営する工場。
つまりバラクータは、服づくりの最前線からスタートした技術者集団のファクトリーブランドだったのです。
そして「もっと自分たちの手で、もっと実用的でスタイリッシュな服を」という思いから、彼らは自社ブランド《Baracuta》を立ち上げます。
BARACUTA(バラクータ)G9誕生秘話
きっかけは“ゴルフ”
バラクータの象徴ともいえる「G9」が誕生したのは、創業から間もない1938年。開発のきっかけは、創業者ミラー兄弟のゴルフ好きからでした。
「雨の中でもプレーしやすく、動きやすい服があれば…」
そんな声から生まれたのが、撥水性のある生地、可動域を広げるラグランスリーブ、雨を弾く背面の“アンブレラヨーク”などの機能美を詰め込んだゴルフジャケット=G9でした。さらに、ゴルフボール2個を入れるのに最適な斜めのフロントポケットも備え、ゴルフ好きのミラー兄弟にとって理想的なデザインが完成しました。
ちなみに、Gは“Golf”、9は“9ホール”を指すという説が有力です。
伝統的な裏地「フレイザータータン」
引用:BARACUTA
フレイザータータンは、スコットランドのフレイザー氏族に由来する象徴的なチェック柄です。このタータンは、第二次世界大戦で英雄的な活躍をしたフレイザー氏族の第25代族長、サイモン・クリストファー・ジョセフ・フレイザー准将(ラヴァト卿)の家族に伝わる柄です。
ミラー兄弟がG9に強いアイコンを求めて、ゴルフを通じてサイモン・フレイザー准将にタータン使用の許可をもらったことで、今の形になりました。バラクータはこの伝統を大切にしていて、一度も変わることなく使い続けられています。
ハリウッドが愛した服、それがG9
引用:BARACUTA
1950年代にバラクータはアメリカ進出を果たします。
当時のハリウッドスターたち——ジェームズ・ディーン、スティーブ・マックイーン、エルヴィス・プレスリーがG9をこぞって着用。
やがてその人気は母国イギリスに“逆輸入”され、世界中に拡散。
この流れが、「ゴルフウェアからライフスタイルウェアへ」という、G9の進化を決定づけました。
ちなみに、日本では高倉健が映画で着用したことで「渋さ」の象徴として認知が広がり、アメカジの定番アイテムとしてアメ横でも人気に。
「ハリントンジャケット」という名前の誕生
G9という型番が「ハリントンジャケット」と呼ばれるようになったのは、1960年代のアメリカの人気ドラマ『ペイトン・プレイス』がきっかけです。主人公ロドニー・ハリントンが毎回G9を着ていたことから、その人気が広まりました。
さらに、ドラマの大ファンだったジョン・シモンズがアイビーショップを開店し、G9ジャケットをショーウィンドウに展示。その横に「ハリントンジャケット」と書いたことで、G9はその名で広まったのです。
サブカルとともに進化したG9
引用:BARACUTA
モッズ、スキンヘッズ、スカ、パンク、ブリットポップ…
1970年代以降、G9は若者たちのサブカルチャーの象徴となっていきます。
特にUKロックシーンでは、ザ・フーやクラッシュ、オアシスのノエル&リアム・ギャラガーなどがG9を愛用。
それはもはや、ファッションというより「アイデンティティの象徴」でした。
BARACUTA(バラクータ)G9を象徴するディテール
ドッグイヤー
「ドッグイヤー」はG9ジャケットの象徴的な襟のデザインです。名前の通り、犬の耳が垂れた様子に似ていることから名付けられました。この襟は、立てることでこなれた印象を与え、ボタンを閉めると防風性を高め、実用性とファッション性を兼ね備えています。
アンブレラヨーク
「アンブレラヨーク」は、G9の背面にある傘のような形のヨークデザインです。この特徴的な形状は、雨水をスムーズに流し、服の中に水が浸入しにくくなる機能を持ちながら、スタイリッシュなデザイン要素にもなっています。
タータンチェック
G9ジャケットの裏地には、スコットランドのフレイザー氏族に由来する伝統的な「フレイザータータンチェック」が使われています。このタータンチェックは、単なる裏地としての役割を超えて、ジャケットを開けたときにさりげなく見えることで、着こなしにアクセントを加えます。上品でありながらも、コーディネートに遊び心をプラスするこのチェック柄は、G9のスタイルをより魅力的に引き立てています。
ロココで取り扱っているバラクータ
G9 ボックスジャケット コットン
定番「G9」の伝統的な生地感はそのままに、ボックスシルエットにアップデート。ボディはややドライな質感のコットン素材で、ヴィンテージ感あふれるカラーリングは健在です。
G4 ボックスジャケット コットン・ポリエステル
1937年に誕生したBARACUTAの名品「G9」の数年後、1944年に誕生したのが「G4」。今ではブランドのセカンドアイコン的存在となっています。
G9よりもやや着丈が長く、袖と裾のリブがないのが特徴。通称ドライビングコートと呼ばれ、着たまま車を運転できるコートとして開発されたことがルーツ。
こちらはタフで速乾性に優れたコットン・ポリエステル生地を採用しており、軽やかな着心地が魅力です。肌寒さを感じる時にサッと羽織れて、コーデを印象づけてくれるブランドの新定番。
G4 ボックスジャケット ナイロン
G4の超軽量のリップストップナイロンを使用した新モデル。軽やかな着心地で、撥水性もあり、雨の日でも活躍します。スポーティーでありながらシックな印象を与えるジャケットです。
おわりに
いかがでしたか?バラクータG9は、ただのジャケットではなく、時代を超えて愛され続けてきた伝説のアイテムです。ゴルフをきっかけに生まれ、ハリウッドやサブカルチャーに愛されながら、今でも多くの人々に着こなされているG9。伝統的なディテールと機能性、そしてファッション性が絶妙に融合したこのジャケットは、まさに大人だからこそ似合う名品です。
「おじさんくさい」なんて思わずに、あなたのスタイルに取り入れてみてください。きっとその魅力に気づくはずです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!