蒸し暑い季節につい手に取ってしまうのが、さらりと涼しいリネンシャツ。40代を過ぎて、その清潔感ある風合いに惹かれる方も多いのでは?
一方で、麻素材で避けて通れないのが「シワ」の悩みですよね。
「出かける前にクローゼットから出したら、畳みジワでぐちゃぐちゃ…。」
「一度座っただけで背中がシワだらけ。だらしなく見えてない?」
私自身も、1枚のためにアイロンを出すのが億劫で、結局無難なTシャツに逃げてしまったことが何度もあります。
でも、もしも「ピシッとアイロンがかかったシャツ」だけが正解じゃないとしたら?
実はリネン素材は、デニムの「アタリ」を育てるように、シワ感こそがその服の「命」。大人の余裕を演出する最大の武器になるんです。
今回は、40代以降の大人が失敗しないために知っておきたい、リネンシャツの「良いシワ」と「悪いシワ」の決定的な違いを解説。
シワができる根本的な原因を逆手に取って、がんばりすぎないお手入れ術から、服と一緒に年を重ねる「リネンシャツの楽しみ方」をお伝えします。
大人こそ、リネンシャツはカチッと着なくていい。
あなただけの「良いシワ」=「美しいシワ」をまとった1枚を育ててみませんか?
「良いシワ」と「悪いシワ」の境界線
服を愛するコロモビト.として大切にしたいのが、「すべてのシワを敵に回さない」こと。
悪いシワとは?

- 無理やり付けられた深い折りジワ
- 長期間の収納で付いたたたみシワ
これらは「生活感」や「だらしなさ」を感じさせてしまう原因に。
良いシワとは?

リネン特有の光沢は、この自然なシワによる光の乱反射によって生まれます。
デニムの「アタリ」を愛するように、リネンもまた「使い込むことで繊維が解け、シワが柔らかくなる」という経年変化(エイジング)を楽しめる素材。
10年着続けて柔らかなシワ感のある「宝物」を生み出すことだってできるんです。
こなれた大人の着こなしを叶えるためには「悪いシワ」を最小限に抑え、「良いシワ」だけを残した状態がベスト。「悪いシワ」は、原因さえわかれば簡単に解消することができます!
「悪いシワ」ができる原因は3つ
リネン素材が持つ「繊維の硬さ」

リネンは、フラックス(亜麻)の茎を原料とした繊維です。
天然繊維の中でも非常に丈夫で、吸湿性・速乾性も優秀。その反面、繊維の目が粗く、コットンに比べて弾力やしなやかさが低いという特徴があります。
そのため、一度折れ曲がると元に戻りにくいという性質を持っています。
これが、リネンが「シワになりやすい」と言われる根本的な原因です。
洗濯機の「脱水」

加えて、リネンシャツにできる「悪いシワ」=「だらしなく見えるシワ」の最大の原因は洗濯機の脱水。
濡れて柔らかくなったリネン生地を脱水機にかけると繊維が無理やり押し付けられ、複雑に折れ曲がります。
この状態で長時間放置されると、繊維に強烈な「折りジワ」が刻まれることに。
アイロンをかけてもなかなか取れない頑固なシワは、これが原因で生まれている可能性が高いです。
「悪いシワ」を定着させる「収納」

洗濯後だけでなく、収納方法もシワの原因に。
リネンは重みでシワが付きやすく、たたんで洋服を上に重ねて収納すると「たたみジワ」が深く刻まれることに。これが、衣替えで引っ張り出した時にぐちゃぐちゃに見えてしまう理由です。
原因がわかったところで、次は「折りジワ」「たたみシワ」を防止するケア方法をご紹介します。
がんばらないお手入れ術4ステップ
脱水時間は「1分以内」

リネンシャツのアイロンがけが大変に感じる最大の原因は「脱水のしすぎ」。
通常のコースで最後まで脱水してしまうと繊維が強く折れ曲がり、アイロンしても取れない「頑固な折りジワ」になってしまいます。
脱水のコツ
洗濯機の設定で、脱水時間を30秒~1分の最短にセットする。
設定できない場合は、時間内に一時停止して取り出します。
水分の重みが残っている状態で干すと、その重力がアイロン代わりに生地を程よく伸ばしてくれます。
もっとお手軽な「ぬれ干し」
「脱水時間を見張る手間を省きたい」という方に試してほしいのが、脱水を一切しない「ぬれ干し」。
ぬれ干しのやり方
洗い終わったら絞らずに、水が滴る状態のままハンガーにかけて干すだけ。
水の重みでシワが伸び、乾いた時には洗いざらしの「良いシワ」だけが残る理想的な状態に。速乾性の高いリネンシャツは、天気の良い日ならすぐに乾いてくれますよ。
「陰干し」と「手アイロン」で仕上げ

リネンは直射日光に弱く、太陽光を強く当てすぎると色あせや縮みの原因になることも。
干し方のコツ
必ず「陰干し」を選びましょう!
ハンガーにかけたら両手でパンパンと叩いて、襟や前立てを軽く引っ張って形を整える「手アイロン」でケア。それだけで、乾いた後に「良いシワ」が映える仕上がりに。
収納は「たたまない」

長期間着ない季節の収納時は「ハンガー収納」がオススメ。特に肩に厚みのあるハンガーを使うと型崩れを防げて、自重による「たたみシワ」を防げます。
まとめ | 10年後のシワが一番美しい

コロモビト.が伝えたいのは、リネンシャツのシワは決して「消すべき敵」ではなく、時間をかけて「育てる」ものということ。
革靴を履き込むほどに深く刻まれるシワ、デニムジャケットを何年も着続けるうちに生まれるパッカリング…。それらと同じように、リネンもまた、着るほどに魅力が増していく素材です。
新品のうちはパキッとした主張の強かったシワも、5年、10年と着込み洗濯を繰り返すことで、背にが少しずつ柔らかくなり、角の取れた優しい風合いへと変化していきます。
「脱水」と「収納」。この2点を少しだけ気にかけることで「良いシワ」を楽しめる1枚に。
この夏はリネンシャツのシワを「育てる」という贅沢を始めてみませんか?
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