男らしさを演出してくれるカバーオールの豆知識と着こなし講座
こんにちは、コロモビト.です。
アメカジの定番アイテムの一つ「カバーオール」、そのタフでラギット(武骨)なルックスはとても魅力的で、永く多くの男性に愛され続けています。
今回は、大人のカジュアルスタイルに最適な「カバーオール」にフォーカスしたお話をさせていただきます。
カバーオールとは?
「カバーオール」とは、本来はトップスとボトムスが繋がった「つなぎ」を指して使用される言葉なのですが、日本ではデニムやダックなど丈夫な生地を使用して作られたジャケット丈のワークウエアーを総称して使用されています。
機能性を考えて作られたポケットのデザインが特徴で、「レイルローダージャケット=Railroader Jacket」「バーンコート=Barn Coat」と呼ばれることもあります。
カバーオールの歴史
「カバーオール」の歴史は古く、19世紀後半まで遡ります。
当時のアメリカでは丈夫で機能性の高いワークウエアーが求められていました。
そんな中誕生したのが誰もが知る「LEVI'S=リーバイス」のジーンズです。
現在親しまれている「カバーオール」のデザインの起源は「Carhartt=カーハート」とされています。
当時数々のワークウエアブランドがしのぎを削る中、成果を上げることに苦労した「Carhartt=カーハート」は鉄道労働者に注目します。
鉄道労働者と直接話し合いの場を持ち改良を加えることで完成した商品が現在のカバーオールの原型とされています。
カバーオールの豆知識
長い年月愛され続けてきたヴィンテージと呼ばれるアイテムの中には、製造された当時の面影を残すディティールがいくつか存在します。
カバーオールの前立てに作られたボタンホールもその一つ。
このボタンホール、何に使うか分かりますか?
答えは「懐中時計の鎖を通す為に作られたボタンホール」なのです。
現代では腕時計が一般的に使用されていますが、カバーオールが誕生した19世紀年代の労働者は懐中時計を使用していました。
ボタンホールに懐中時計の鎖を通し、左胸の右側に開いた穴に入れることで激しく動いても大切な懐中時計を落とさないようにと言う工夫から生まれたディティールなのです。
ちなみにジーンズの右ポケットに作られた小さなポケットも、元々は懐中時計を入れる為に作られたディティールです。
本来の名前は「ウォッチポケット」第2次世界大戦後に腕時計が主流となり、徐々に懐中時計を使う人が減っていきます。
ジーンズがカジュアルファッションとして人気が出るのをきっかけにしてコインをこの小さなポケットに入れて使用するようになりました。
その結果、現在では「コインポケット」とも呼ばれるようになっています。
ヴィンテージアイテムは、このように歴史を感じることが出来るというのも魅力の一つです。
カバーオールに使用される生地
カバーオールは本来ワークウエアーとして作られたということもあり、使用されている生地にも特徴があります。
カバーオールに使用される代表的な生地をいくつかご紹介させていただきます。
ダック
ダックとは、太番手の糸で作られた高い耐久性と難燃性が特徴の平織の生地のことを呼びます。
通常平織の生地は1本の糸を織り込んでいきますが、ダックの場合は2本の糸で織り込んでいる点が特徴となります。
「Carhartt=カーハート」のカバーオールの代表的な生地として良く知られています。
デニム
ジーンズやデニムジャケット同様にワークウエアーとしての起源を持つカバーオールにもデニムはよく使用されている生地です。
ただしジーンズやデニムジャケットとに使用されているデニムとは少し異なる点があります。
それは生地の厚さ(重さ)です。
ジーンズやデニムジャケットは通常14oz(14オンス)前後のデニムを使用するのですが、カバーオールには10oz(10オンス)前後のデニムが使用されているのが一般的です。
これはデニムジャケットに比べて着丈の長いカバーオールが重たくなり過ぎないようにする為の工夫の一つと言われています。
OZ(オンス)とは
アメリカを中心に普及したジーンズやTシャツなどの衣類はヤード・ポンド法で重量を「OZ(オンス)」で表記する慣例があります。
面積に対する生地の重量を表しており1平方ヤード(約90cm四方)の重さを表します。
1oz(オンス)=約28.35g(グラム)となります。
ヒッコリー
ヒッコリーはデニム生地に白い糸でストライプ柄を施した生地のことを呼びます。
通常のデニムでは汚れが目立ちやすいという理由で、「Lee」社が汚れが目立ちにくいようにストライプ柄にしヒッコリーストライプとして販売したのがルーツとされています。
ヘリンボーン
ヘリンボーンとは「ニシンの骨」という意味で、生地の表情が似ていることから、こう呼ばれている織柄の名称です。
日本では「杉綾織り」とも呼ばれています。
スーツなどフォーマルアイテムにも使用されることも多く、高級感のある表情が特徴でユーロワークアイテムに良く使用されています。
モールスキン
モールスキンとは表面の起毛が特徴の高密度で織り上げた織物です。
「モール(mole)」とはモグラのことで、モグラの毛皮に似ているということからモールスキンと呼ばれるようになったと言われています。
モールスキンは、太い綿糸を生地の片面だけではなく、両面に起毛させながら織り上げた丈夫な生地で、1950年代以前のフランスのワークウエアーに良く使用されている素材として知られています。
アメリカ発のカバーオールとヨーロッパ発のカバーオール
カバーオールは、どちらかと言えばアメリカのワークウエアーという印象が強いのですが、ヨーロッパ発のカバーオールの中にも魅力的なアイテムは多数存在します。
ヨーロッパ発のワークウエアーは「ユーロワーク=EURO WORK」と呼ばれ、ヨーロッパらしい洗練されたデザインが魅力です。
アメリカのワークアイテムの代表的な生地がデニムであるのと同様に、ユーロワークアイテムではモールスキンが代表的な素材となります。
武骨なアメカジスタイルには「アメリカ発のカバーオール」、きれい目カジュアルには「ヨーロッパ発のカバーオール」とお好みのスタイリングにあわせてカバーオールを選ぶというのもおすすめです。
現代風にカバーオールをコーディネートする極意
カバーオールは、インナーにスウェットやTシャツ、ボトムスに色落ちしたジーンズというのが王道のアメカジコーデなのですが・・・
今風にまとめるのであれば、きれい目アイテムをコーディネートに取り入れるというのがおすすめです。
カバーオールのワイルドな印象を活かしながら、きれい目アイテムを取り入れたスタイリングをいくつかご紹介させていただきますので、参考にしてください。
Styling 1
オリジナリティーのあるデザインが印象的なライトオンスデニムのカバーオールを使用したスタイリングです。
アメカジ要素の高いアウターとパンツの組み合わせにインナーをシャツ、足元をレザーシューズにすることで上品な印象を演出しています。
インナーに着たシャツをTシャツに変え、シューズをスニーカー、帽子をキャップにすることで、ラフなアメカジスタイルにもなるスタイリングです。
Styling 2
生地にモールスキンを使用したユーロワークタイプのカバーオールを使用したスタイリングです。
インナーにストライプ柄のシャツを着てアクセントを付けているのも、このスタイリングんポイント。
ユーロワークタイプのカバーオールは、上品で大人なスタイリングを演出しやすいというのも魅力です。
Styling 3
ポケットのデザインなどヴィンテージのディティールが印象的なカバーオールを使用したスタイリングです。
インナーにはバンドカラーのシャツを着用、ボトムスをスウェットパンツをコーディネートしてリラックス感を演出しています。
カジュアルときれい目を上手にミックスした、こなれ感のあるスタイリングです。
大人スタイルに最適なカバーオール3選
大人ならではのおしゃれを楽しむのに最適なカバーオールをいくつかご紹介させていただきます。
JAPAN BLUE JEANS(ジャパンブルージーンズ) RJB7011 別注 ショート カバーオール ジャケット
窮屈感のない絶妙なシルエット
60年代のストアブランドをイメージし企画したカバーオールです。
オーソドックスなカバーオールの形ながらも、全体的にゆるさのあるシルエット。窮屈さを感じることなくゆったりと着用できますが、ややショート丈で、野暮ったくならない絶妙なバランスです。
FOB FACTORY(FOBファクトリー) F2373 フレンチモールスキンジャケット
フレンチワークをベースに極厚モールスキンで製作
1950年代のフランスワークジャケットをベースに製作。FOBがオリジナルで制作した極厚モールスキンを使用し、現代的なスッキリとしたキレイなシルエットが魅力です。
コットン100%なので着用を繰り返すことで身体に馴染み柔らかくなっていきます。幅広いスタイリングに、そして流行に左右されない万能なアイテムです。
FOB FACTORY(FOBファクトリー) F2410 カバーオール
レトロな雰囲気のあるワークディテール
襟元にはチンストラップ、フロントにはフェイクのボタンホールを配備。左胸のポケットはペンや小物を収納できるこだわりのワークディテール。
ベーシックながらも、オリジナルパターンにより現代的でスッキリとしたシルエットに。流行に左右されず、一生モノとして愛用できるクオリティを誇る一枚です。
最後に
カバーオールはアメカジ好きに長く愛され続けているアイテムの一つです。
その為、アメリカンヴィンテージならではのラギット(武骨)さ感じさせる商品が中心でした。
しかし近年、ワークウエアーならではの魅力を残しつつオリジナルパターンにより現代的でスッキリとしたシルエットに仕上げた商品が増えています。
その影響もあり、今まではカバーオールにあまり興味がなかったという方にも広く支持されるようになりました。
きれい目カジュアルの代表的なアウターはテーラードジャケットですが、カバーオールはテーラードジャケットでは表現しにくい男らしさを演出できるというのも魅力のアイテムです。
今回の記事で、一人でも多くの方にカバーオールの魅力をお伝えすることが出来たのならば、嬉しく思います。
コロモビト.ではあなたを魅力的にする情報をお届けしていきますので、またお越しいただけましたら幸いです。
よろしければブックマークよろしくお願いいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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