アパレルが語るバンダナの話
バンダナってなんですか?と聞かれて皆さんは、なんて答えますか。
「首に巻いたり、手を拭いたりするお洒落な布」って感じでしょうか。
今日は意外と知らないかもなバンダナのお話です。
バンダナとハンカチの立ち位置
まずはよく似ている、バンダナとハンカチの違いから見ていきましょう。
バンダナとハンカチは違うんです
バンダナって手を拭くモノとしても使われていますが、一般にはハンカチを使う人が多いのではないでしょうか。
用途の面で考えると
ハンカチは手を拭く、涙を拭く、汗を拭く、
バンダナは巻いたり、ハンカチとして使う、
といったことが主でしょうか。
つまりハンカチは生活用品的であり、バンダナは服飾雑貨でありながら生活用品的な側面も持っているんです。
その他にも、それぞれが誕生した起源が大きく異なります。
実はハンカチは装飾品としての起源をもっているんです。
当時のハンカチは素材がシルクのモノのみで、それはそれは高かったんです。
18世紀ごろには宝石などを取り付けたりと、今とは少し使い方に違いがあったのです。
後述しますがバンダナは実用的なモノとしてのルーツがあるので、ハンカチとは区別することができるんです。
今ではバンダナも立派なファッションアイテム
そんなこんなでそれぞれの違いを見てきましたが、現在ではそれぞれの位置づけに明確な違いはなく、ざっくりと大きさや素材で区別されているんですね。
その為、バンダナもコーディネートを飾るファッションアイテムの1つとなっているんです。
バンダナのルーツ
今度は、そんなバンダナのルーツについて少し詳しくみていきましょう!
バンダナの2つのルーツ
実はバンダナには2つのルーツがあるんですが、皆さまはご存じでしたか。
ご存じの方は、かなりファッション通ですね。
2つのルーツとは、デザインのルーツと実用的なモノとしてのルーツに分けられます。
バンダナのデザインのルーツ
デザインのルーツは、「バンダナ」語源から読み解くことができるんです。
「バンダナ」の語源は、ヒンドゥー語の
「bandhnu(バンドゥヌまたはグンドゥヌ)」から来ていて、バンドゥヌは、ヒンドゥー語で絞り染めや更紗模様で染めた木綿布を意味します。
この木綿布がヨーロッパに伝わり現在のバンダナへと繋がると考えられているんですね。
また、インドのカシミール地方のカシミア・ショール(肩から掛けたり、頭からかぶって着用する布・衣類)に用いられていた伝統的な文様であるカシミール文様というものがあるんですが、この文様は19世紀ごろのスコットランドのペイズリー市での、カシミール・ショールの大量生産時に用いられています。
そしてカシミール文様は、この大量生産以後ペイズリー柄として定着したのです。
現在、バンダナといえばペイズリー柄とイメージされますが、そのデザインのルーツもインドにあるんですね。
バンダナの実用的なモノとしてのルーツ
では、もう1つのルーツはどこにあるのでしょうか。
ずばりメキシコです。
16世紀ごろのメキシコの農業従事者たちは、炎天下で作業を行っていたのです。その際に首元の日焼け防止のために使っていたモノがバンダナになります。
なぜなら当時の人たちは襟がないシャツを着ていて、このバンダナを首元に巻くことで体を守っていたのです。その後、西部開拓時代(19世紀ごろ)のアメリカでカウボーイたちが、砂ぼこり対策や顔を隠す覆面に使ったり、ケガをした時の止血に使っていました。
つまり、使い方としてはアウトドアなものだったのです。
ルーツを感じさせるバンダナブランド
そんな実用的なアイテムとしてのルーツを感じさせるブランドがあります。
コダワリが生むハリとコシ
HAV-A-HANK(ハバハンク)というブランドをご存じでしょうか。
このブランドはなんと、現在でもアメリカ製を貫いているのです。
1947年にアメリカで端を発したCAROLINA(カロライナ社)のバンダナ専門レーベルで、このブランドの特筆すべき点は、様々なブランドが生産拠点をアジアなどに移している昨今においても、アメリカでの生産をし続けているその姿勢です。
こだわったバンダナはハリ・コシがあり、使い続けることでヴィンテージのように味がドンドン出てきます。ファッションアイテムとして、こだわりのあるモノを使いたい方にはオススメのブランドです。
HAV-A-HANK(ハバハンク)
バンダナ オープンセンター
花柄が四角に走る、飽きの来ないデザインが魅力です。
始めはノリがついていて硬い感じですが、5回くらい使って洗いを繰り返していくと、くたっとした良い雰囲気が出てきます。
HAV-A-HANK(ハバハンク)
バンダナ ペイズリー2色柄
赤×黒、赤×紺の2色のカラーを使用したペイズリー柄がカッコいい。
こちらも使い込む程に風合いを感じます。
もちろんアメリカ製。
バンダナをコーディネートに使ってみよう
バンダナには使い方がたくさんあります。
首元に巻く、ブレスレットのように手首に巻く、パンツのアクセントとしてバックポケットに挿す、トートバッグの持ち手に付ける等々。
ぜひ色々な使い方を考え出して、楽しんでもらえればと思います。
首元のお洒落にバンダナを
巻き方としては、ループノットやアスコットタイ風などがあります。
いずれの巻き方も、Tシャツやボタンダウンなどの襟付きのシャツに合わせるだけで、コーディネートのアクセントとなりますので、春夏のシンプルな服装にもってこいです。
まだバンダナを持っていない貴方も、すでにバンダナを使ってコーディネートしてるよ!というファショニスタな方も、この春夏用のバンダナを探してみてはいかがでしょうか。
最後に
実用的なモノとして使われだしたバンダナですが、現在ではファッションアイテムとして広く定着しています。
しかしながら、実際のコーディネートに使ったことがないという人も少なくないと思います。
そこでバンダナについて少しでも興味を持ってもらえればと思い、今回の記事を書かせて頂きました。
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