【不良品?】ジーンズの縫い目がねじれる理由。デニムの“ゆがみ”は愛すべき個性だった!
どうも!
インディゴの香りでご飯が3杯食べられる男、コロモビト.ライターのコガタです。
突然ですが皆さん、奮発して買ったお気に入りのジーンズを穿いていて、ふと足元を見た時にこう思ったことはありませんか?
「あれ? 脇の縫い目が前にねじれてきてない?」
洗えば洗うほど、穿き込めば穿き込むほど、なぜかぐるぐると足の前に回り込んでくるサイドのステッチ。
「もしかして自分の脚が歪んでる?」「いや、ひょっとしてこれ、不良品なんじゃ……?」
いやいや、実はそれ……『大正解』なんです。
安心してください。その「ねじれ」、不良品でもあなたの脚のゆがみでもありません。
今回は、ちょっと良いジーンズを買った人をたびたび驚かせる『ねじれ問題』について。
なぜジーンズはねじれるのか? そして、なぜその“ゆがみ”こそが最高にカッコいいのか。デニムの奥深すぎる世界へご案内します。
結論:ねじれはデニムの「自然な姿」

実を言うと、私も昔はお気に入りのデニムがねじれてきた時、「うわっ、ハズレ(不良品)を引いちゃったよ…」と本気でヘコんだ経験があります。
お気持ちは痛いほど分かります。ねじれるように意図してデザインされた洋服ではないなら、間違いなく不良品ですからね。
しかし、ジーンズ(特にヴィンテージ仕様のもの)に関しては、ねじれるのが大正解。むしろ「自然な姿」なのです。
では、なぜねじれるのか?
その秘密は、ジーンズの生地の織り方である「綾織(あやおり)」に隠されています。
犯人は「綾織り」だった

ジーンズの生地をよーく目を凝らして見てみてください。斜めに走る線(綾目)が見えませんか?
一般的なデニムは「右綾(みぎあや)」と呼ばれ、左下から右上に向かって斜めの線が入っています。(Levi'sの501などが代表的ですね)
実は、綿糸をこの斜めの構造でガッチリ織り上げると、生地全体がその斜めの線の方向(右方向)にねじれようとする強烈な力が生まれるんです。

さらに、生地が水を含んで乾燥して縮むことで、その力は一気に爆発。結果として、左から右に向かってぐるっとステッチがねじれてきます。
つまり、あのねじれは「昔ながらの力強いデニム生地が、生き物のように呼吸して動いた結果」なのです。
ちなみに、Leeなどの一部のジーンズで採用されている『左綾(ひだりあや)』という逆方向の織り方の場合、ステッチは右から左に向かってねじれていきます。
自分のジーンズがどっちにねじれているか、確認してみるのも面白いですよ!
ねじれないジーンズの秘密

ここで鋭い方は「でも、俺の持ってる別のジーンズは全然ねじれないよ?」と思うかもしれません。
おっしゃる通り! 現代の技術では「スキュー加工」と呼ばれる“ねじれ防止加工”を施すことができます。織上がった生地を裁断前に強制的にねじり、裁断することで製品になった後のゆがみを防ぐという高度な技術です。
・ねじれるヴィンテージの風合いか。
・現代の技術を駆使した、シルエットを綺麗に保つ優等生か。
どちらが良い・悪いではありません。「綺麗なシルエットで穿きたいか」「昔ながらの無骨な経年変化を楽しみたいか」という、純粋な好みの問題なのです。
不完全さという「美学」

ねじれ防止という便利な技術があるのに、なぜ今でも多くのブランドが「あえてねじれるジーンズ」を作り続けているのでしょうか?
それは、効率化とは無縁の「味」があるからです。
均一で綺麗すぎるものより、少し不器用でクセのあるものに惹かれる。フィルムカメラのノイズや、古い建築物の歪みに美しさを感じる「不完全さの美学」。
ジーンズのねじれも、それと全く同じです。
穿く人の動きに合わせて生地が歪み、シワが寄り、そこにインディゴの色落ち(ヒゲやアタリ)が刻まれていく。
ねじれがあるからこそ、そのジーンズは世界に一本だけの「あなた自身の形」に育っていくのです。
おわりに:ゆがみも愛すべき個性
いかがでしたでしょうか。
「不良品かも?」と不安に思っていたそのねじれが、少しだけ愛おしく見えてきませんか?
ジーンズは単なるズボンではなく、共に歳を重ねるアイテムです。
縫い目がグイッと前に出てきたら、「おっ、いい感じに育ってきたな」とニヤリと笑える。そんな大人の余裕を持って、ぜひあなただけの相棒を穿き込んでみてください。
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