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分厚く着心地の良い14ozヘビーウェイトTシャツ。その名はsogliaの「ゴツゴツ」

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エースナインとコロモビトのロゴ

こんにちは。コロモビト.です。

暑くてTシャツの時季ですね。
最近のTシャツのトレンドは

カジュアルな印象のクルーネック

くびれのないボックスシルエット

タフで透けないヘビーウェイト

が挙げられます。
そのど真ん中のストレートの
sogliaソリア)のGTⅡゴツゴツマックスウエイトTシャツ」。

ヘビーウェイトTシャツの上をいくマックスウェイトTシャツ
商品説明だけではわからない、デザインのこだわりや誕生秘話などを
デザイナーの佐井氏に語っていただきました。

エースナイン佐井氏と足立

soglia(ソリア)ブランドプロフィール

ソリアのロゴ

ヨーロッパで厳選された上質な毛糸を、日本の職人が丁寧に編み上げるニットブランド。柔らかな質感と表情ある毛糸が、美しく鮮やかなカラーリングを生み出します。

INSTAGRAM:@soglia_jp

登場人物 プロフィール

佐井 洋児(写真左)
INSTAGRAM:@acenine3142
1980年生まれ。株式会社エースナイン代表兼デザイナー。
GTⅡ:Lサイズ着用

足立 太(写真右)
1987年生まれ。ROCOCOのモデル兼コロモビト.執筆者。
GTⅡ:Mサイズ着用

ヘビーウェイトTシャツが人気の理由とゴツゴツ

― 足立 ―
ヘビーウェイトTシャツが流行っていますが、なぜ人気なんだと思いますか?

― 佐井 ―
近頃のファッショントレンドとして、シルエットのワイド化が進んでいます。

ワイドシルエットでも、生地が薄くてハリがないと思ったようにボリュームが出ません。
ハリのない生地はどうしても身体にぴたっと沿うので、身体のラインが出てしまうんです。

そういったこともあり、分厚くハリのある生地の方がワイドシルエットのボリュームを出せるし、
体型を隠せるんです。
それが体型を出したくない30代以降のヒトなど、幅広い年代にウケているんだと思います。

― 足立 ―
そういうことなんですね!
sogliaでリリースされたヘビーウェイトTシャツ、GTⅡ生地の特徴をわかりやすく教えてください。

― 佐井 ―
GTⅡの特徴としては大きく4つあって、

  1. 最高評価の綿花を使用している。
  2. かさ高でゴツゴツした生地感。
  3. 繊維に隙間があり快適に着れる。
  4. 型崩れしにくい。


というコトです。
1つずつ説明していくと、

SOGLIAデザイナーの佐井氏

最高評価の綿花を使用している

GTⅡの原料となる綿花は、アメリカ綿を主体に繊維の長さ、均整さ、白さ、強さの面でもっとも優れているモノを使用しています。
この綿花は高級ニット糸の原料として最高の評価を得ているものです。

かさ高でゴツゴツした生地感

通常のリング糸と構造が違う、空気精紡機によって紡績した糸を使用しています。

リング糸は、糸全体に均一の撚りがあります。

対して撚りが外側にしかかかっていない空紡糸は、糸の繊維の不均一さから粗野感があるんです。
糸の周りに繊維がルーズに巻きついた構造でかさ高になっていて、この構造がゴツゴツした風合いをかもしだしてくれます。
欧米のデニムや、古着で見かけるようなデニムと同じ紡績の糸を使用しています。

GT2とリング糸の比較

繊維に隙間を作って快適に着れるようにしている

この糸は通常のリング糸とは構造が異なり、繊維に隙間があるのが特徴です。
この隙間に素早く汗が浸透し、拡散させ、蒸発させるので、GTⅡはいつでも気持ちよく着られる素材なんです。

型崩れしにくい

GTⅡはねじれがおこりにくいので、型崩れが起きにくい素材なんです。
無撚糸に近く、撚トルク(※)が少ないのでねじれがおこりづらいんです。

(※トルク:糸に撚りをかけると、撚った方向と逆の方向に撚りが戻ろうとする力が発生します。この撚りの戻ろうとする力を「トルク」といいます。撚りが強ければ強いほど、トルクも大きくなります。)

― 足立 ―
リング糸をつかった通常のTシャツとは、糸の構造から違うんですね!

ヘビーウェイトを超える究極の14ozマックスウェイト。開発の背景

ゴツゴツデザイナー佐井氏と足立

― 佐井 ―
GTⅡの特徴のわかりやすい特徴として、Tシャツですけど14オンスもあるんですよ。

― 足立 ―
すごいですね!14オンスって数字でいうとリーバイスのデニムくらいでしょうか。
でも、動きづらさもなくて、むしろ軽いですね。
ヘビーウェイトなTシャツほど重くて固く感じると思っていましたが、全然そんなことなくて。
なんでこんなに軽いんですか?

― 佐井 ―
それは糸の構造で、糸自体の巻き付きがルーズでかさ高になっているからですね。
かさ高になる分空気を含み、軽いんです。

あとは原糸自体がアメリカの高級ニット糸とかに使われる綿をつかっているので、他のTシャツとは違いがあるかもしれないです。
ひとことで「良い綿」とか「良い糸」って言ってしまえばそれまでなんですけど、糸にもランクがあるんですよ。良い糸と悪い糸では値段も違うし。双糸の中でも良い糸をつかっています。

ゴツゴツとヘビーウェイトTシャツ比較
Tシャツを畳んだ厚みです。GTⅡは生地のかさ高さを感じさせないほど軽い。

(※ちなみにGOODWEARのヘビーオンスTEEは7.2オンスCAMBERの「マックスウェイト」シリーズが8オンスGood OnのヘビーウエイトTEEで9オンス。)

― 足立 ―
GTⅡシリーズを作ろうと思ったきっかけはなんですか?

― 佐井 ―
以前から分厚くて着心地も良いTシャツを作りたいなぁと思ってたんです。
いわゆる”キャンバー”みたいな。

それで生地を探したんですけど、どこにもなかったんです。
日本の生地屋さんにはこういうゴツゴツした、分厚い生地がないんですよ。

「それやったらイチから作ってみよう」と思ったんです。
それで知り合いの紡績屋さんに協力してもらって、糸から作ろうということで開発がスタートしました。

― 足立 ―
糸から作るってすごいですね!

― 佐井 ―
もちろん簡単ではありませんし、デメリットはすごいありますよ。
糸から作るってなったらすごい量を作らないといけないですし、もし思ったような結果が出なかったら~って考えると、ものすごいリスクはあります。
でもどうせやるんやったら、イチから作った方が、出回っている既存の生地とは違うエースナイン独自のモノが作れると思ってチャレンジしました。

― 足立 ―
作るうえで大変だったエピソードはありますか?

― 佐井 ―
生地をこれくらいの柔らかさにするのに何回もやり直しました。
ギュッと詰まり過ぎていると固くなってしまうし、柔らかすぎると詰まってないし。
ちょうどいい生地感になるよう調整するのに苦労しました。

イチからつくるってことは基準が自分の感覚頼りになるってコトですからね。
そこは苦労した点です。

あと、生地を先染めしてるんですよ。
生地には後染めと先染めがあるんですが、GTⅡは先染めで作ってます。

後染めは白のTシャツができてる状態で染めるのが後染めですね。
先染めっていうは糸の段階で染めてるんですよ。生機(きばた)っていう生成りの状態から白に染めたり、黒に染めたりってしてるんですよ。
ここの色だしという工程も苦労しました。
この独特な色を出すために、ビーカー出しをするんですけど、納得いくモノができるまで何回も何回もやり直しました。

ホワイト・ブラック・ブラウンはベーシックな色ですけど、一色は何か差し色をやりたいなと思い
「差し色だけど実際お客様に選んで頂けるような差し色は何か」って考えたときに、ミントグリーンを作ってみました。
洗っていくうちにもっといい感じに褪せてくるんですよこれが。

SOGLIAデザイナー佐井氏とゴツゴツ

ベーシックデザインの中にオンリーワンなディテール

― 足立 ―
ディテールについて教えてください。
背中の接ぎは何のためにいれてるんですか?

― 佐井 ―
まず、かたち的にはベーシックなTシャツですが、いまっぽく肩を落とした大きめのシルエットを作ろうと思ったんです。
ただ、それだけではありきたりなんで、僕の理念として
定番だけどどこかにひとつポイントになるディテールを」と考え、
後ろから見たときに、他と何か違うデザインがあるなと思えるように、飾り三本針のステッチを入れました。

背中の飾り三本針ステッチ

― 足立 ―
なるほど!
他にもいくつかデザイン案はあったんですか?

― 佐井 ―
切り替えの位置を変えたり、ポイントで刺繍を付けるとか。
色々ありましたけど、「ベーシックにいきたい」って思う部分があったので、
その中でひとつだけポイントをつけるとなると、これが一番しっくりきました。

このデザインをsogliaのGTⅡの特徴として広めていきたいと思っています。
だからロンTEEにもこれを付けてるし、秋冬からスタートするスウェットにもこれを付けています。
「GTⅡの商品の後ろには、このステッチ」というのをひとつ特徴にしています。

― 足立 ―
デザインでいうと、身頃の脇辺りを内側に入れ込むようなかたちで、シルエットも通常のワイドTEEとはすこしパターンが異なりますよね?

― 佐井 ―
よく気づきましたね(笑)
ただのボックスシルエットだと、脇下がストンと落ちてどんくさい印象になるんですけど、ここが中に入ることで丸みをおびてシルエットがきれいになるんですよ。
脇下を削っているその分、肩幅でシルエットを調節しています。

細いヒトが着てもスタイルがよく見えて、逆にちょっとお腹が出ているようなヒトでもサマになるような、あらゆる体型をカバーできるシルエットにデザインしてます。

ゴツゴツのデザインを説明する佐井氏

2021年の春夏は新色もリリースする予定なので、楽しみにしていてください。

― 足立 ―
新色も楽しみです!

ゴツゴツ生地のTシャツ

soglia(ソリア) GTⅡ マックスウエイトショートスリーブ

soglia(ソリア) GTⅡ マックスウエイトショートスリーブ

GTⅡ マックスウエイトTシャツは縮むのか

綿の製品でよくある悩みが
縮みによるサイズの変化」です。
Tシャツはねじれてきたり着丈が短くなってきたり、トホホなことがよくあります。

気になったので後日サイズを比較してみました。

GTⅡ購入して1ヶ月くらい着ていますが、縮みももとんどありません。
着丈は親指の爪1枚分以下、1cmくらいしか縮みませんでした。
綿製品でこれは素晴らしい!!

ソリアGTⅡの未洗い
172cm61kgで未使用のMサイズ着用。着丈は親指の爪の先くらい
ソリアGTⅡの縮み比較
Mサイズを5回ほど洗濯したもの。着丈は親指の爪の根本くらい

最後に

佐井氏がデザインする sogliaオリジナル生地のGTⅡ、通称”ゴツゴツ“を大解剖しました。

Tシャツは6オンス以上でヘビーウェイトと呼ばれるところ、GTⅡは14オンスのマックスウェイト。

肌の弱い僕でも痛くなるコトのない、ほどよく柔らかい生地。
普通のTシャツ以上に暑く感じるのかと思いきや、まったくそんなこともなく快適にすごせます。

sogliaの代表アイテムのニットセーターについても詳しく訊いてきたので、
そちらも記事にしていきます。

エルボーパッチがアクセントになった、シンプルで上品な日本製ニットです。
デザイナーも「これ以上のモノはない」と言い切れる、
ブランドの原点にして頂点のニットの誕生秘話を記事にしていきます。
お楽しみに!

ソリアのランドノアセーター

▼ エースナイン対談第1話はコチラ
【対談】sogliaやCOOCHUCAMPを生んだ、エースナインを徹底リポート

▼ エースナイン対談第2話はコチラ
【対談】sogliaやCOOCHUCAMPを生んだデザイナー、佐井氏を成功に導く3の言葉