サンダースのオックスフォードシューズの特徴と経年変化について
こんにちは、コロモビト.です。
様々なファッションアイテムがありますが、
僕にとって革靴は、なんだか特別な存在です。
新しい革靴ってなんだか気分が高揚しますし、
はじめのうちはキズをつけないようにしようと、一歩一歩踏み出す足の運びも丁寧になります。
と同時に、どんな経年変化をするんだろうと不安にもなります。
革靴の場合は、レザーの表情や、靴底の沈み具合、
日々変化していく様子を足と目で感じ、
まるで我が子の成長を感じているような気分になります。
革靴は言葉で表現できないような、
身に着けるものの中でもなんとなく特異な存在です。
どんな成長をするのか楽しみな反面、不安なヒトも多いと思うので、
サンダースのオフィサーシューズについて
他モデルとの違いや経年変化について記事にしてみようと思います。
こちらのアイテムです。
サンダースのオフィサーシューズの特徴
サンダースについて知りたい方は
どんなブランドなのかまとめた記事があるので、
まずは、こちらを読んでみてください。
▼「紳士の国イギリス」生まれの老舗シューズブランド「SANDERS(サンダース)」の魅力に迫る
形やディテール
オフィサーシューズがサンダースの他モデルと異なる点は
・内羽根式のデザイン
・イタリアンスムースレザーを使用している
ということが挙げられます。
その二点に焦点をあててみます。
内羽根と外羽根
革靴には内羽根と外羽根があり、
『羽根とは靴紐を通す部分の箇所』をさします。
サンダースはどちらもラインナップがあります。
違いを比べてみましょう。
甲の部分に羽根が乗っていて開いているものを『外羽根』と呼びます。
上の画像では右足側(←)の光沢があるほうの靴です。
羽根の部分が開きやすいので着脱がしやすく、
少しカジュアルな印象になるので、ジャケパンスタイルでお仕事をされる方やかっちりし過ぎたくない、というヒトにオススメです。
1815年のワーテルローの戦いでナポレオンに立ち向かうべく、プロシアの陸軍元帥ゲルハルト・レーバレヒト・フォン・ブラヘルが作らせたと言われています。
反対に靴紐を通す部分の革が甲と繋がっていて内側に閉まる形を『内羽根』と呼び、常に羽根部分がしっかりと閉まるため上品な印象があります。
今回ピックアップしているオックスフォードシューズは、この内羽根式のデザインです。
もし、初めて革靴を選ばれる方に
「汎用性の高い万能なデザインはどれですか?」
と聞かれたら、迷わず
「内羽根のストレートチップ、色は黒です」
と答えます。
理由はフォーマルからカジュアルまで守備範囲が広く、
とりあえず間違いのないデザインだというコトです。
使用されている素材
サンダースの革靴では、
イタリアンスムースレザーとガラスレザーの二種類の素材を取り扱いしています。
それぞれの違いは、以下になります。
スムースレザーとガラスレザー
ガラスレザーもスムースレザーの種類ではありますが、
ここでは一旦、『銀付き革』と『ガラスレザー』に分けて考えてみます。
銀付き革とは、革の銀面(外側)をそのまま使用している革の事です。
革本来の風合いを活かして銀面をそのまま使用しているので、
傷などが目立つものは使用できず、希少なので高価になります。
銀面が付いている革はすべて銀付き革と言えるので、ヌメ革やオイルドレザーなども銀付きと言えます。
対してガラスガラスレザーは、ガラス貼り革とも呼ばれる革で、鞣しの後に銀面を磨き処理し、顔料による塗装仕上げを施したものです。
革表面に分厚い塗装を施すことで均一に仕上がり、堅牢性や防水性が上昇しますが、分厚い塗装によってオイルなどが浸透しにくく、細かなエイジングが楽しみにくいという欠点もあります。
今回のオックスフォードシューズは、スムースレザーを使用しているので
経年変化によるエイジングも楽しむコトができます。
サンダースのリアルな経年変化レポート
約1年間、頻繁にはいた経年変化の比較がこちらです。
堅牢な靴をたった一年間履いただけなのでまだまだこれからですが、
どのように変化していくのかを感じ取るには十分なのではないでしょうか。
シワの入り方
革靴でまず初めに気になるのが、履きじわだと思います。
履きじわの位置や方向は好みがわかれる部分ですが、なかなか味のある履きじわになっているんではないでしょうか。
履き口の広がり
経年変化と言われると、素材の表情の変化ばかりに目がいきがちですが
やはり形状も変化します。
特に靴は脱ぎ履きを繰り返すので、履き口が広がってきます。
メリハリが出るソールの反り
グッドイヤー製法なので、だんだんコルクも沈み込み、足の形になじんできます。
そんなの知ってるよー!というヒトは多いと思いますが、
実はソールの反りは、靴のシルエットにも影響してきます。
上から見ると、
新品の方が丸みがあり、履きこんだものの方が、シャープに見えます。
これは、ソールが反ることでシルエットにメリハリが出るためです。
どれくらい沿っているのか新品と比べてみたので、正面から見てみましょう。
けっこう反り返ってますね。
これも好みがでるところなので、良いとか悪いとかではないとは思いますが、
この反り上がり、個人的にはけっこう好きです。
ただ、反り上がっていない方がドレスシューズっぽい綺麗さを維持できるのも事実。
そのためには、シューツリーを使用するようにしてみてください。
最後に
イタリアンスムースレザーを使用したサンダースのオックスフォードシューズの経年変化と他モデルの違いをみていきました。
経年変化を楽しむなら、革表面にコーティングがされているガラスレザーのモノよりもイタリアンスムースレザーを使用した、こちらのモデルの方がいいと思います。