MA-1はなぜ人気?歴史からバズリクソンズのこだわりまで徹底解説
こんにちは。コロモビトライターのチバです。
メンズアウターの“永遠の定番”といえば、やはり「MA-1」ではないでしょうか。
ミリタリーウェアとして生まれたにもかかわらず、無駄のないシンプルなデザインは、まさにアウターの完成形です。
今回は、そんなMA-1がなぜファッションの定番になったのか、そしてなぜ今もなお“永遠の定番”と呼ばれるのかを、ブランド「バズリクソンズ」とともに紐解いていきたいと思います。
MA-1がファッションアイテムになった理由
MA-1ジャケットとは
MA-1ジャケットは、1950年代初頭にアメリカ空軍のパイロットや整備士のために設計されたフライトジャケットとして誕生しました。
1950年代中頃からアメリカ空軍で使用され、退役軍人が任務で使用したジャケットを持ち帰り、私服として着ていたことがMA-1が広まるきっかけとなりました。
1976年に後継モデルCWU-45/Pが登場するまで、MA-1はアメリカ空軍で長年使用され、現在では地上整備員用ジャケットとして活躍しています。
人気の理由と定番化の背景
1980年代に、映画『トップガン』でトム・クルーズがフライトジャケットを着用したことがきっかけで、同じフライトジャケットのMA-1にも人気が集まり、若者たちの間でストリートファッションの定番アイテムとして広まりました。
また、音楽シーンでも、ボブ・ディランをはじめとするアーティストたちがMA-1を着用し、反骨的な精神を象徴するアイテムとしてその人気を後押ししました。
このように、映画や音楽カルチャーを通じて、MA-1は単なる軍用アイテムから文化的アイコンへと変貌し、今日まで愛され続ける要因となったのです。
MA-1の特徴を解説
MA-1ジャケットは、元々は過酷な環境においてパイロットの安全と快適性を確保するためのアイテムとして開発され、その機能性が後に一般の人々にも魅力的に映り、ファッションアイテムとしても広まりました。
襟元
前身のナイロン製フライトジャケット「B-15」には毛足の長いムートンファーが使用されていましたが、パイロットのパラシュート装備を妨げるため、MA-1では襟がニット素材に変更されました。この改良により、より実用的で快適なデザインとなりました。
リバーシブル仕様
MA-1ジャケットはリバーシブル仕様で、表面は防風性に優れたナイロン素材、裏面は緊急時に目立つオレンジ色となっています。このデザインは、パイロットや整備士が事故に遭った際に視認性を高め、生存の可能性を高めるために考案されました。
シガレットポケット
左袖には「シガレットポケット」と呼ばれる小型のポケットがあります。このポケットは、狭い機内でパイロットが必要な道具を素早く取り出せるように設計されています。
中綿
ジェット機の導入により、空軍にはより高度な飛行性能が求められました。それに対応するため、MA-1ジャケットには軽量で保温性に優れた中綿が使用されています。-10℃から10℃の気温帯に対応した設計で、優れた防寒性を発揮。
バズリクソンズのMA-1はココがすごい!
数あるブランドの中でもバズリクソンズ(BUZZ RICKSON'S)のMA-1は、ファッション好きだけでなく、ミリタリー愛好家からも高い支持を得ています。
ここでは、バズリクソンズが“本物以上”と呼ばれる理由を3つの視点から紹介します。
バズリクソンズってどんなブランド?
まず初めに、バズリクソンズ(BUZZ RICKSON'S)は、1993年に日本で設立されたミリタリーウェアブランドで、フライトジャケットをはじめ、ミリタリーウェア全般を展開しています。ブランド名は映画『戦う翼』のキャラクター「バズ・リクソン」から取られています。
高品質な素材と軍用規格に基づいた設計が特徴で、特に40代から50代の本物志向のファッション愛好者に支持されています。
本物に忠実な高い再現性
バズリクソンズのMA-1は、当時のミルスペック(軍用規格)に基づいて忠実に再現されています。糸の紡績から生地の素材、縫製、軍用パーツに至るまで徹底的にこだわり、一着一着にクラフトマンシップが込められています。
特に、深みのあるブラウンステッチを施し、当時の大量生産時に見られた縫製のシワまで再現。左上腕部分には「U.S. AIR FORCE」のプリントや、ペンや道具を収納できるジッパー付きシガレットポケットが配置され、さらに内部には4つのペンホルダーも備えています。
さらにファスナーには、当時鋳造で作られていたCROWNファスナーを採用。現在ではバズリクソンズでしか見られない貴重なディテールです。
これらのこだわりが、ヴィンテージMA-1の魅力を現代に蘇らせ、まさに“本物以上”と呼ばれる所以です。
現代にフィットする絶妙なシルエット
本来のMA-1は、コックピット内で動きやすいようタイト設計でした。
しかしバズリクソンズは、その伝統を残しつつも現代のスタイルに合うようアップデート。タイトすぎず、オーバーすぎず――誰が着てもサマになる絶妙なバランスです。
流行に左右されない完成されたシルエットは、まさに“アウターの完成形”といえます。
高機能
気温 −10℃〜10℃ に対応するため、アウターシェルとライニングの間にインターライニング(中綿)を採用しています。素材はウール58%・コットン42%のウールパイルで、優れた防寒性と保温性を発揮。着用を重ねるほどウールがわずかに縮み、身体に馴染むのも特徴です。
MA-1の着こなし方|メンズコーデのポイント
MA-1ジャケットは秋冬の定番アイテムですが、コーディネート次第では「工事現場の親方」のような印象になってしまうことも…。でも心配無用!いくつかのポイントを押さえれば、誰でもオシャレに着こなせます。
シンプルなスタイルに合わせる
デニムやチノパンとの合わせたくなりますが、それは実は上級者向けのスタイル。まずはシンプルで上品なスタイルに合わせるのがオススメです。
黒のスラックスに革靴を合わせ、インナーにはモックネックやタートルネックを着ると、防寒性も確保しつつ上品にまとまります。
男らしさを意識しがちですが、まずはシンプルなスタイルから始めることで、MA-1をうまくスタイルに取り入れることができます。
デニムに合わせるなら
デニムに合わせる際は、いかに大人っぽさ(上品さ)を加えるかがポイント。インナーをタックインし、足元にはスウェード素材のスニーカーを合わせて上品さをプラス。
MA-1は短丈なのでデニムのシルエットは、ワイドよりもスリム~ジャストがバランスよく着こなせます。
30~40代の男性は、「大人っぽさ」を意識してコーディネートするのが一番のポイントです!
まとめ|MA-1は“10年先も着たい”定番アウター
時代が移り変わっても、MA-1の魅力は色あせません。
シンプルで機能的、そしてどんなスタイルにも馴染むデザイン。
ミリタリーの実用性をベースにしながら、ファッションとして完成されたこのジャケットは、まさに「永遠の定番」と呼ぶにふさわしい存在です。
そして、そんなMA-1の魅力をもっとも純粋な形で伝えてくれるのがバズリクソンズ。
細部の再現性や着心地、そして“本物を作る”という姿勢は、まさにクラフトマンシップの結晶です。
流行を追いかける服ではなく、自分のスタイルを作っていく一着。
10年先も、きっと変わらず袖を通したくなる。
MA-1は、そんな「これからの定番」を象徴するアウターです。