

武骨な機能美は、時代を超える。
極限の環境に対応するための機能、任務に応じて磨かれたディテール、時代を超えて受け継がれるデザイン。フライトジャケットから極寒地用のアウター、レザーを用いた名作まで、ミリタリーウエアには、実用性から生まれた独自の魅力があります。
今回は、精緻な復刻モデルをはじめ、軍用ウェアをルーツに持つ本格派をセレクト。背景にあるストーリーと、細部に宿るこだわりを味わいたい、武骨な10着をご紹介します。
異色のフライトジャケット。
フライトジャケットといえばMA-1が有名ですが、通好みの一着を狙うなら米海軍のWEPも見逃せません。今回のモデルは、1960年代後半の最終型「Cタイプ」を再現。
独特な襟元や大ぶりのフラップポケット、V字型の袖リブなど、空軍系のフライトジャケットとはひと味違うディテールが満載です。糸や生地、パーツまで当時の仕様を追求するBUZZ RICKSON'Sだからこそ味わえる、マニア心をくすぐる一着。
MA-1前夜の過渡期モデル。
ジェット機の普及によって、パイロットの装備が大きく変化した1950年代。B-15シリーズも改良を重ね、ムートン襟からニットリブ襟へと仕様を変更したモデルが登場しました。B-15Cを改修した本モデルは、MA-1へとつながる進化の過程を知るうえでも興味深い存在。
深みのあるネイビーカラーも特徴で、オリーブグリーンが定番のミリタリーアウターとは違った魅力を楽しめます。
着脱式ダウンで攻略。
米軍の寒冷地用アウターをルーツに持つハッピージャケットを、ROCOCO別注でアレンジ。強撥水性を備えたナイロン素材に、取り外し可能なダウンライナーを組み合わせています。アウターとライナーを別々に使えるだけでなく、重ねれば防寒性もアップ。
気温に合わせて着方を変えられるのは、重ね着を前提に設計されたミリタリーウェアならではです。
現代の仕様で。
軍用のモーターサイクルコートをベースに、ROCOCO別注で仕立てた一着。雨風から身を守るためのロング丈のデザインに、着脱式のダウンライナーを組み合わせることで、防寒性と着用シーズンの幅を広げています。表地には、英国生まれの高密度コットン「ベンタイル」を採用。
ミリタリー由来の機能的な設計を受け継ぎながら、気温に応じた着こなしも楽しめるアウターです。
米軍生まれの防寒着。
極寒地での活動を想定した米軍の防寒システム「PCU LEVEL7 TYPE2」をベースにしたモンスターパーカ。表地には耐久性に優れたCORDURAナイロンを採用し、中綿には軽量性と保温性を備えたCLIMASHIELD COMBATを使用しています。
大きなシルエットに目を奪われますが、注目したいのは過酷な環境に対応する素材選び。見た目の迫力だけでは終わらない、ミリタリー由来の機能が詰まった一着です。
軽くしなやかにアップデート。
米海軍のシップボードジャケットをベースに、素材とシルエットを現代的に刷新。表地には、重厚な光沢感としなやかさを兼ね備えた日本製の高密度ナイロンツイルを採用し、中綿には軽量で撥水性にも優れるPRIMALOFTを封入しています。
縫製部分に施したパッカリングが、ミリタリーらしい陰影を演出。首元の内側にはフリースを配し、身幅にゆとりを持たせたショート丈に仕上げることで、機能性と今らしいシルエットを両立しています。
フライトジャケットの歴史。
米陸軍航空隊のフライトジャケットとして知られるA-2。その中でも、ラフウェア社が1942年に納入した第4契約モデルを再現した一着です。イタリア産の原皮を用いたレザーは、職人の手仕事によって奥行きのある表情に仕上げられています。
着込むほどに艶やシワが増し、自分だけの風合いへと変化していくのも革製品ならでは。ヴィンテージの背景を知り、経年変化まで楽しめる本格派のレザーフライトジャケットです。
M-65ライナーをアウターに。
M-65パーカーの内側に装着する防寒用ライナーを、単体でも着られるように仕立てたジャケット。フロントボタンやポケットを備えることで、インナーとしての機能を残しながら、アウターとしての使い勝手も追求しています。
ナイロン生地にポリエステル中綿を組み合わせたキルティング仕様で、軽さと暖かさを両立。袖口には、M-65パーカーへの装着に使うタブも残されています。こうした本来の用途を物語るディテールこそ、ミリタリー好きにはたまりません。
ディテールで知る初期型ピーコート。
1910年代に米海軍の下士官用として採用された初期型を再現。肉厚なメルトンウールや、風の侵入を防ぐ大きな襟、前身頃を深く重ねたダブルブレストなど、海上での任務を想定した設計が随所に見られます。
なかでも目を引くのが、13個の星とアンカーマークを刻んだボタン。アメリカ独立時の13州に由来する意匠で、後年のモデルとは異なる年代を象徴するディテールです。歴史を知るほど、細部を見る楽しさが増す一着。
MA-1の原点。
1950年代初頭に誕生し、今やフライトジャケットの代名詞となったMA-1。こちらは、その初期モデルを再現した一着です。襟を排したデザインや、左袖のシガレットポケットといったおなじみの仕様に加え、注目したいのが当時のディテールを追求したCROWNファスナー。
角ばった比翼やコードループなど、初期型ならではの特徴まで再現しています。ひと口にMA-1といっても、年代によって仕様はさまざま。そんな違いを楽しめるのも、復刻モデルを選ぶ醍醐味です。























































