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福岡から世界を魅了する
「FUJITO」

「真のシンプルとは、一切の無駄を排し、機能性を追求した計算の上に成り立つ。それは単純こそ美しいという観点にたった現代美の一つである」。

そんな哲学をブランドポリシーにした福岡発のメンズブランド、FUJITO(フジト)。一見すると平凡なアイテムでも、シルエットの美しさ、加工技術による素材の変化などにより、新たな価値観と着こなしを提案するブランドです。

生産は基本的に拠点を日本国内とし、職人の手による物作りを常に大切に。
国内はもとよりNY、ロンドン、パリなど世界のセレクトショップで販売されており、世界的に支持されています。

始まりは1本のジーンズ

デザイナーの藤戸さんは、長崎県佐世保市生まれ。米軍基地も近く、アメリカ文化の風を浴びながら育った。福岡の大学に進学した後、古着屋でアルバイトを始め、これがキャリアの原点。
そしてセレクトショップの店長、大手ジーンズメーカーの福岡店長を経て、2002年自身のブランド「FUJITO」をスタート。カジュアルの王道ともいうべき、ジーンズ作りから始めた。

ただ、販売や制作など「楽しい」という思いで始めたものの、厳しい現実が・・・。
まず、パタンナーや縫製工場の人たちと、うまく意思の疎通が図れない。デザインや縫製を学んだことがないため、自分のイメージを伝える「スキル」がなかったそう。「売れる売れない」以前に、思い通りの服を作ることができないことに愕然とした。

そんな試行錯誤を繰り返す中、FUJITOのジーンズがイタリア・フィレンツェを代表する伝説の職人「アントニオ・リベラーノ氏」に目に止まる。そのことが嬉しくて、そのままイタリアまで、ジーンズを抱えて会いにいったのだそう。

その時に「こういうデザインはできるか?」と課題を出され、岡山の工場に依頼してサンプルを作って再訪。2年がかりで完成したコラボジーンズ。
これをきっかけに「FUJITO」ブランドは、一気に全国にその名を知られることとなった。

シンプルな服こそ強い

FUJITOの服が長く愛されている理由。それは、ズバリ”シンプル”であるからに他ならない。流行に左右されることなく、現実の世界で使える「リアルクローズ」。

遊びでも使え、仕事でも着こなせる。
着心地がよく、シルエットがステキで、ちょっとだけ気分が上がる「大人が楽しめる普段着」。朝起きて家を出るまでに思わず手に取ってしまうような、そんな安心感のある洋服づくりを目指している。

例えば、シャツ。
これ以上は針が入らない限界まで入れた運針(細かいステッチのピッチ)。
極限まで布の端ギリギリのラインを攻めた、コバステッチ。

シャツ好きのバイヤーなら違いが一目で分かる。そんな職人の技が光るディティールの積み重ね。

ただ、技術を詰め込めばいいというわけではなく、出し方、さじ加減がカギ。
幼い頃からアメリカ文化に浸り、福岡の街で洋服屋を巡り、古着の魅力に浸る中で磨き抜かれた藤戸さんならではのセンスなのかなと。

先に紹介したジーンズは国内ジーンズの発祥地でもある岡山の職人に、そのほかのウエアも西日本を中心に全て職人の技が見える国内生産。

例え生産効率が悪かったとしても、手間を惜しまない。
決して派手ではないけど、細部にまでこだわりを貫く、洋服に対する”情熱”。

そういう部分に私たちも心を動かされ、色んな方に知ってもらいたいという想いから、取り扱いを始めました。

近年は、ストリート色を強めたもう一つのライン「FUJITO SKATE BOARDING」を設立。”飽きのこないスタンダードな洋服”というブレない軸の中で、新しい試みにも積極的。

さあ、次は私たちにどんな新しい景色を見せてくれるのか・・・
今からワクワクします。

2023SS Collection