
ERICKA NICOLAS BEGAY
エリッカニコラスビゲイ
【 愛され続ける憧れのジュエリー 】
昨今の「ヴィンテージブーム」の流れもあってか、再び脚光を浴びているインディアンジュエリー。
歴史的背景を持つ伝統工芸やアートとしての一面を持つインディアンジュエリーは、以前より憧れのひとつとしてファッショニスタたちに愛され続けています。
今回は、「流行」や「ファッション」としてだけではないインディアンジュエリーの魅力、
そして夏の太陽に映える、ナバホ族の若手女性アーティスト「エリッカ
ニコラスビゲイ」のアクセサリーについて、ちょっと喋らせてください。
歳を取って、それでも手元に残り続ける
「お守り」としてのアクセサリー
わたしは昔アクセサリーの販売をしていた経験がありまして… その影響もあり、安価でチープなものから大ぶりなコスチュームジュエリーまで、自身のスタイルの変化とともに数多くのアクセサリーに手を伸ばしてきました。 どれも思い入れが深く、大切に保管しているのですが、やはり手元に置くのも限度がやってくる……
そんな経緯もあり、もうすっかり"大人"の域に入ってからは「ほしい!」「かわいい!」の直感だけではなく、 「歳を重ねた自分が身に着けているイメージが湧くものを。」と見極めて迎えるようになりました(やっと)。

そういった目線でアクセサリーを選ぶようになったわたしが出会った、ERICKA NICOLAS BEGAYのインディアンジュエリー。
歴史を知り、技術と生産背景を学び、アクセサリー本来の意味でもある「お守り」や「願いをこめたもの」として身に着ける。 そんな視点からインディアンジュエリーについて、ちょっと(熱意がこもりすぎて長めになってしまったのですが)しゃべらせてください。

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ERICKA NICOLAS BEGAY
1996年生まれのナバホ族若手女性アーティスト。
機械物や模造品が多く出回るようになってしまった現代。ネイティブアメリカン本来の考え方や歴史に立ち返り、シルバーを溶かすところから全ての工程を手作業で行う伝統的な技法にこだわりジュエリー製作を行っています。
彼女の作るシルバージュエリーは機械ものでは感じることのできない温もりや付け心地の柔らかさ、色の深さが特徴です。
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■ NECKLACE
■ EARRINGS
■ BRACELET
歴史と背景、技術の貴重さを知る
インディアンジュエリーの起源については諸説あるため定かではありませんが、元々ネイティブアメリカンが生業として銀細工で日常品を加工していたことに由来しているといわれています。 故郷を追われ迫害を受けながらも生活の為に技術を磨き部族や家族の間で技術を伝承していく中、"スーベニア"として売り出したアクセサリーがアメリカのファッションビジネス業界の目に留まり全世界に広められたとされています。
インディアンジュエリーのモチーフには自然や生物、精霊など、ひとつひとつに意味や願いが込められており「お守り」として身に着ける人が多いのも特徴のひとつです。

今回ご紹介するERICKA NICOLAS BEGAYはナバホ族の若手女性アーティスト。 ネイティブアメリカンの中でも「ナバホ族」のジュエリーは特に温かみのあるデザインが特徴とされており、 繊細なスタンプワークやナバホ族の象徴ともいえる「ナバホパール」が注目を集めています。
ナバホパール

ナバホパールは元々「ホーガンビーズ」と呼ばれており、ナバホ族の半球型住居(ホーガン)を象った神聖なジュエリー。 その真珠のような美しい見た目から「ナバホパール」とも呼ばれるようになりました。
ただ、ナバホパールは半球状のシルバーを2つに繋げて球状のビーズに仕上げていくので制作には多くの手間と時間がかかります。(もちろん技術も…) そのため、アメリカでも「オールハンドメイド」のナバホパールを見つけるのは難しいといわれるほど、機械で生産されるものが増えているそう。 そんな中、ERICKA NICOLAS BEGAYのナバホパールはビーズはもちろんこと、フックやコーン(フックとビーズの間の玉留めパーツ)もすべてハンドメイド。

ネイティブアメリカンの考え方や歴史に敬意を持ち、伝統の技法に則ってシルバーを溶かすところから全ての工程が手作業で行われています。 そのため、ERICKA NICOLAS BEGAYのナバホパールはアクセサリーとしての美しさやハンドメイドならではの温かみに加え、大切に受け継がれてきた伝統に触れることができる"作品"としても人気が高まっています。

心に残る、ひとつの記憶
昔、初めてのインディアンジュエリーとして迎えた、ナバホ族のバックスタンプリング。
気に入って毎日つけていたのですが、海外へ旅行した帰り際、確かに指にはめていたのになぜか紛失してしまったことがありました。
気に入っていたので当時はかなり落ち込み…。
購入したお店の方にお話しした際「インディアンジュエリーはお守りだから、きっと身代わりになってくれたんだと思うよ」と声をかけてもらいました。
それは、それまで「ファッションの一部」としてインディアンジュエリ―を楽しんでいた私にとってとても新鮮に響いた言葉でした。
失くしてしまったことはかなりショックだったのですが、そのリングが旅行から無事に帰してくれたのかもしれないなと、とても前向きになれた記憶があります。
そして今はもう手元にないそのリングに対して、より一層の愛着を感じた不思議な体験でもありました。

遠い異国の受け継がれる「伝統」をファッションとして楽しむのはもちろんのこと、
お守りとして一緒に歳を重ねられるアクセサリーとしても。
ERICKA NICOLAS BEGAYが生み出すインディアンジュエリー、おすすめです。