進化する名品たち
ミリタリーウェアやワークウェアは古くから軍人や労働者を支えてきた衣服であり、今では時代を超えて多くの人の普段着として馴染んでいる。
また、様々なブランドが○○年代のアイテムという形で復刻させたり、デザインソースに使う等、なくてはならない重要な要素の1つなのである。
そしてこれらはトレンドにも縛られにくく、1着持っていると長く使えるのが良いところ。
当店でもミリタリー、ワークウェアをより現代の生活に合うようにリプロダクトされたアイテム数多く取り扱っている。
今回はその中でも特におすすめのアイテム達を紹介していきたいと思う。
M-51 CARGO PANTS
カーゴパンツの代名詞・原型ともいわれるモデルのM-51。
現在ではスタイルを問わず定番ボトムスの1つとして認知されているが、その歴史については意外と知られていない事も多い。
M-51カーゴパンツはカーゴパンツが最初に6ポケットになった最初のモデル。両腿のポケットにフラップがついたのもこの時。
そしてこのSEWING CHOP O’ALLSのフィールドシェルトラウザーはそんなM-51をベースに再現し、より現代に馴染むように作り上げられたアイテムなのだ。
Military chinos from the 40's
ミリタリーチノといえば現代では"チノパン"として定番ボトムスの1つとして一般的に浸透しているものだ。しかし、その歴史も意外と知られていない。
始まりは19世紀中ごろ、インドに駐留していた英国の陸軍士官が同地での迷彩効果を考慮して発案したとされる。そして19世紀末頃には米国に渡り、軍服として使われるようになったという。
こちらのSEWING CHOP O’ALLSのチノトラウザーはそんなチノパンの1940年のものをベースに作られている。フロントのボタンフライ仕様や腰回りのハンドポケット、コインポケットなど当時のディテールを忠実に再現しているので、マニアも唸る逸品である。
FATIGUE JACKET
ファティーグシャツ(ユーティリティーシャツ)といえば、アメリカ陸軍野戦服兼作業服として作られたもので、
軍人たちの仕事を支えてきた。
また、60年代に登場したジャングルファティーグジャケットの前身となるアイテムでモノあり、まさにミリタリーウェアを語る上で欠かすことのできないものなのである。
そんなファティーグシャツをモチーフにFOB FACTORYが作り上げたのがこちら。
シンプルなデザイン、武骨な雰囲気、機能性、文句なしの良いアイテムである。
M-65 (2nd)
ミリタリーウェアの中でもよく耳にすることが多いものといえば「M-65」だろう。アルパチーノや松田優作など往年の名優たちも着用するほど古くから世間には広く認知されたウェアである。
そんな「M-65」も実は2008年までは米軍の戦闘服として使われていた。機能性の高さを支えるディテールはもちろん、羽織るだけでかっこよく男らしさを印象付けてくれるアウターを1つは持っておきたいものだ。
FOB FACTORYからはM-65の2ndモデルをベースに作り上げられたものが展開されており、多くのミリタリー好きの心を惹きつけている。
素材には米軍フライトジャケット「B-9」に使用されている”モールスキン”を採用するなど、古着には見られないFOB FACTORYならではのこだわりを感じることができるだろう。
M-51 SHELL PARKA
M-51シェルパーカーとはご存知の方も多い、最初に紹介したカーゴパンツと同年代に製造されたアウターだ。元々はアメリカ軍が極寒地域での防寒衣類として使用していたものになるが、1950年代後半から60年代中頃にかけてイギリスのモッズたちが好んで着ていたことからモッズコートとも呼ばれている。古くからファッションアイテムとして親しまれてきたこともあり、今でも様々なブランドが取り入れているのは周知の通り。
FOB FACTORYからも少し着丈を短くし、よりスタイリッシュに楽しめるようアップデートされたモッズコートが展開されている。素材も先程の”M-65”同様、米軍フライトジャケット「B-9」に使用されている”モールスキン”を採用。
定番アイテムだからこそ、知見をもとに細かい所にこだっているブランドのものを選ぶのがおすすめ。
GERMAN TRAINER
ミリタリーシューズの中でも圧倒的な人気を誇る「ジャーマントレーナー」今ではジャーマントレーナーをベースとしたシューズが様々なブランドからも展開されている。そんなジャーマントレーナーは1970年〜1980年代の冷戦期に西ドイツ軍が使用していたトレーニングシューズで、最初に考案したのはAdidasである。軍用シューズとして耐久性はさることながら、無駄なディテールを削ぎ落した洗練された見た目は現代のファッションにもうまく溶け込むだろう。
スロバキアのファクトリーでハンドメイドを行う、日本のブランド「REPRODUCTION OF FOUND」からは素材に上質なレザー等を使用した標準的な形のジャーマントレーナーに加え、ベルクロ仕様のものも展開されている。
FRENCH TRAINER
こちらは1990年代にかけてフランス軍でトレーニングシューズとして採用されていた、「フレンチトレーナー」。
放出品ではもう手に入らないと言われる程、市場では希少性の高いものである。ジャーマントレーナーと比べると馴染はないが、知る人ぞ知るシューズのひとつ。
REPRODUCTION OF FOUNDからは現代の素材を使って忠実に再現しているモデルが登場している。独特なカッティングと配色が印象的なアイテムでタウンユースにもハマるシューズだ。
Coveralls from the 30's
「PAY DAY」と名付けられたこのブランドは1922年にアメリカで誕生した。1930年代までは非常に豪華な作りのワークウエアを手掛け、その後は大手デパートメントのチェーンストアブランドのひとつとして、トリプルステッチでラグランスリーブという特徴を持ったカバーオールやオーバーオール、エンジニアジャケットなどを展開していた※アメリカ本国ではブランドは消滅しており、現在は日本で企画、生産を行う
そして1930年代のカバーオールを復刻させたのがこちら。当時使われていたディテール等を忠実に再現し、ぱっと見は完全復刻のような出で立ちになっているのだが、実は肩線の傾斜を変えるなど、今着てもかっこいいバランスに整えているそうだ。
Coveralls from the 40's(WW2)
こちらも1つ前に紹介したPAYDAYの第二次世界大戦時に製造された、ペイデイのカバーオールを忠実に再現した復刻モデル。
月桂樹ボタン、ダブルステッチのボタンホール、忠実に再現されたユニオンチケット、紙製パッチ等、見どころ満載。加えて生地は日本製のセルビッジデニム生地が採用し、デニムならではの表面のザラっとした質感も再現されている。