STAFF VOICE
~ちょっと喋らせてもらっていいですか?~
毎日、洋服に囲まれながら右往左往している、GochIスタッフの1人語り。ごくごく普通の働く女性の目線から「これいいやん…!」と思うもの・ことについてひっそりと、しかし熱めに語っております。お時間ある際は是非お付き合いいただけますと幸いです…!
わたしのコンプレックスのひとつである小さい足。なかなか合う靴がなく、楽しいはずの買い物も「靴」となると億劫になってしまい…サイズ調整が安易なスニーカーにふらふらと流れ、気付けばいつの間にか「毎日スニーカーの人」になっておりました。
しかしながら最近外で人とお会いする機会も増え、ご挨拶する際ちらっと目に入る履きなれた自分のスニーカーに違和感。…なんかちょっとしっくりこない。
スニーカーだって正装になる時代です。スニーカーがダメ!ってわけでは決してなく。(むしろだいすき)ただ、もうしっかりと大人の領域に達した今の自分において、この場所において、もう少しだけ「丁度いい靴」があるかもしれない…と急遽思い立ち、昨年の冬から超個人的な「普段履きができて、程よいキチンと感のある靴」探しが始まったのでした。
ローファーか…サボも捨てがたい、レザースニーカーならば…?と、紆余曲折ありつつ、この春なんとか「ポルセリ」を手にして一旦ゴールにたどり着きました。
1919年創業の老舗バレエ用品メーカーが手掛けている、バレエシューズ。100年以上もの間バレリーナたちの足を想い仕立てられ続けているシューズは、今でも一足一足限られた職人の方々の手作業で制作されています。バレエシューズという可憐かつフェミニンの象徴でありながら、普遍的なデザインと仕様を貫く、老舗の物づくりには潔さと格好良さを感じます。
馴染みのよさそうなややくったりした表情や、やや深めの履口で甲がすっきり見える絶妙なカットライン。見た目の美しさも数あるバレエシューズの中でも選ばれ続ける所以でもあります。
見た目だけではなく、履き口をぐるりと一周するコードで自分好みのサイズ感にその都度微調整が可能という、なんとも気の利いた仕様にも感服。薄手のソックスやタイツのほんの1ミリ足らずでも靴擦れを起こしてしまうので、少し調整が効くだけでもうれしいのです。
スタンダードアイテムならではの「わたしらしい服」に寄り添ってくれる控えめさもあり、「普段気負わず履けて、程よくきちんと感がある」という超個人的な基準をクリアしてくれる第一号となったのでした。
靴棚の中、頼りになるスニーカーたちの合間で「ポルセリ」が品よくスタンバイしてくれている姿を見て安心感を得るとともに、長年受け継がれる「いいもの」にはいいものたる所以があるなあと、実感しています。
そしていまの自分の引き出しを増やしてくれる”丁度いいもの”と出会うきっかけに敏感でありたいな、と改めて感じました。馴染みのあるアイテムに小さな違和感を覚えたり、なんとなく他にも”丁度いい!”と思えるなにかがあるのでは?と感じられたら新しい何かを見つけられるきっかけかも…と、いつもより少し視野を広げていきたいです。
いまの”自分にとって丁度いい”と思えるものはおそらく人それぞれ。その先にいるのがちょっと気負いそうなクラシックなものでも、一目ぼれしたプチプラアイテムでも店の片隅にある古着でも…ちらりと目に入るいつもより華奢なつま先を眺めながら、これからの自分が何に反応を示すのかとても楽しみだな、と感慨深くなったのでした。